私の10冊

 明らかにキリスト教系に偏っていますが、ご容赦ください。また、聖書は比較の対象にならないので、含めていません。
 

●第1位 ミルトン「失楽園」:男女の不倫を描いた故・渡辺淳一の同名小説じゃないですよ。申し訳ないですが、次元が違いすぎます。主人公が神とイエスとサタンとアダムとエバですから。スケールの大きさ、格調の高さ、主題、すべてにおいて文句なし。世界文学の最高峰。ラストは涙なしに読めなかったです。ただ、いささか古文調でとっつきにくいので、「まんがで読破」版をお読みになって、〝脳内地ならし〟するのもありかと思います
 
●第2位 栗本薫「グイン・サーガ」
 
●第3位 シェンキェーヴィチ「クオ・ワディス」
 
●第4位 ヒルティ「眠られぬ夜のために」:ページをめくる度に電流が走ります。気高い著者の深い内省から生まれた金言、箴言の数々。「人間のあらゆる性質のなかで、最良のものは誠実である。この性質は、ほかのどんな性質の不足をも補うことができるが、この性質が欠けているとき、それをほかのもので補うわけにはいかない」「偉大な思想は、ただ大きな苦しみによって深く耕された心の土壌の中からのみ成長する」。図書館の本でなければ、赤線を引きまくったでしょう
 
●第5位 トマス・ア・ケンピス「キリストにならいて」:いろんな出版社からさまざまな翻訳が出ています。私は新教出版社版を読み、妻は岩波版を読みました。「こんな生き方ができたらいいよなあ」「まだまだ自分は途上だなあ」と思える、名著
 
●第6位 バニヤン「天路歴程」:ある時「このままでは自分たちの世界は滅びる」と悟った男が、家族も何もかも捨てて旅に出ます。途中、さまざまな苦難や試練に遭いますが、何とか神のいる国まで辿りつきます。「続」では、家族が男の後を追います。楽しいですよ
 
●第7位 ダグ・ハマーショルド「道しるべ」:著者はスウェーデン出身の元国連事務総長(でクリスチャン)。不慮の事故死の後、彼の日記をまとめて出版したのが本書なのですが、「人間とはこんなにも高潔になれるのか」としみじみ思わせてくれます
 
●第8位 デュマ「モンテ・クリスト伯」:説明不要ですよね?
 
●第9位 エンデ「はてしない物語」:大人も子供も楽しめる、何度も読み返せる、あかがね色の本
 
●第10位 ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」:学生の頃から何回も何回も読みました。それでも、最後の一文を読む度にほろりと来てしまいます