酒と豚肉とパチンコと女

 「クリスチャンになったら、お酒飲めなくなるんでしょう?」
 
 「クリスチャンって、豚肉食べないんだろ?」
 
 私が自分のことを「クリスチャンです」と話したときの、実際にあったリアクションです。「クリスチャン? モルモン教か?」というのもありましたねえ。絶句しました。
 
 お酒については、私は自分の人生に必要がないから飲まないだけで、教義上「絶対禁止」というものではありません(キリスト教界でもさまざまな意見があると思うので、個人的見解です)。
 
 記者になりたてのころ、つまり20年以上前、業界のセオリーで警察担当をしていたのですが--いわゆる「サツ回り」記者です。私には全く向いていませんでした。苦い記憶しかありません--毎日のように事件原稿を書く中で、そこにある種の〝法則〟があることに気付きました。
 
 それは「事件の9割は、酒・女(正確には異性)・金が原因」です。現代ならこれに「孤独」が加わります。
 
 クリスチャンの端くれなので、自分を罪に誘惑するようなもの、つまり酒・女・金には不必要に近づかないでいようと考えています。

豚肉だってOK

 豚肉は食べますよ、普通に。ユダヤ教やイスラム教と混同してるんじゃないですかね。教義上「絶対食べたらダメ」な食べ物は、キリスト教にはないと思います。
 
 クリスチャンになると「あれもだめ、これもだめ」になるように思われるかもしれませんが、基本的には、そんなことないですよ。タバコ? 吸いたければどうぞ(ただし他のクリスチャンのつまづきにならない配慮を)。パチンコ? やりたければどうぞ(以下同文)。
 
 まあ、確かに、私は酒にもタバコにも女にもギャンブルにも手を出さないので、傍から見れば面白みのない、木石野郎かもしれません。でも、私の周囲のクリスチャンってみんなそうだし、「禁じられているから我慢してやらない」のでなく、みなさん「したくない(or人生に不要だ)からやりたくない」感じです。「クリスチャンって人生に何の楽しみもなくて窮屈そう」って思われないようにはしたいと思います。

宝塚じゃないけれど

 余談。私は時々阪急電車を利用するのですが、車内広告に宝塚音楽学校の生徒さんが写っているものがあります。「清く正しく美しく」って、現代ではかなり死語に近いと思いますが、宝塚と、日本共産党の皆さんと(支持者ではないですが敬意を込めて)、クリスチャンはこれを地で行っているように思います。
 
 追記:モルモン教はキリスト教の一派とされることもあるようですが、キリスト教側は基本的には「仲間」とは考えていません。それは統一教会、ものみの塔(末日聖徒キリスト教会)も同様です。聖書以外に独自の経典があったり、独自に翻訳した(教義に合う解釈を加えた)聖書があったり、三位一体の神以外にあがめられる存在がいたりするからです。