イチローとイエス

 2019年3月に東京ドームで開催されるマリナーズ対アスレチックス戦が、イチローの引退試合になるのではないか。そんな観測が以前から流れていたので、私も仕事の合間にチラチラとテレビ中継を見ていました。
 
 胸中をよぎったのは「イチローこそ『ミスター平成』だよなあ。平成の終わりにイチローも去る。何とも感慨深い」という思いでした。何せ、1992(平成4)年にプロデビューし、94(平成6)年に200本安打を達成して以来、ずっと明るい話題を提供してくれたのですから。
 
 ここから私の脳は回転を始め「平成を代表する日本人を3人選べと言われたら誰を挙げるか?」と自問自答しました。浮かんだ「平成の顔3人」はイチローのほか、敬称略で平成の歌姫・安室奈美恵と山中伸弥(京大iPS)でした。
 
 同僚やタクシーの運転手さんは、イチロー以外にSMAP、村上春樹、小泉純一郎、麻原彰晃らを挙げました。平成生まれの若い同僚は、モーニング娘や池井戸潤を挙げました。感性が全然違いますね。
 
 
 その後「昭和の顔(戦後)3人」に話は進み、私は石原裕次郎、美空ひばり、手塚治虫を挙げたのですが、周囲の声は田中角栄とON(王・長嶋)が圧倒的でした。確かになあ。
 
 話はさらに膨らみ(暴走し)「世界史全般で3人を挙げるなら」に及びました。「東なら始皇帝、西ならカエサル、イスラム帝国だと誰かなあ……」思考が行き詰まって、はたと思いつきました。「ナザレのイエスを忘れてるじゃないか」
 
 
 西暦は彼の誕生した年を境にBCからADへと変わりました。西暦2019年とは「彼の初臨から何年が経過したか」を示しています。彼の言葉は聖書という形で世界中で読み継がれ、文化、芸術、思想、あらゆる面に彼の影響は及びました。たった一人でここまでなし得た人物は、人類史上ほかにいません。ナザレのイエスに比べれば、始皇帝もカエサルも比較の対象になりません。
 
 
 そもそも神であるイエスが人となって地上に来られた理由は、ただの一つです。あなたの(そして私の)罪の身代わりとなって、十字架で死ぬためです。そのことによって天への門を開くためです。死んで葬られ、3日目に甦って天に昇られたように、信じる者には古い自分に対する死と新たな命、天での永遠を与えるためです。
 
 イエスは今も、両手を広げてあなたがイエスの方を向くのを待っています。どうか、一人でも多くの魂が悔い改めへと導かれますように。あなたのために祈ります。