高1に語るマタイの福音書4

ナザレのイエス

(2章13~23節)

中心聖句

 そして、ナザレという町に行って住んだ。これは預言者たちを通して「彼はナザレ人と呼ばれる」と語られたことが成就するためであった。(23節)

解説

 博士たちが帰路についた後、ヨセフは夢のお告げに従い、ヘロデからイエスを守るためエジプトに逃れます。ヘロデの死後、ナザレに戻ります。
 
 「ナザレ」という語は旧約聖書に一度も出てきません。「『彼はナザレ人と呼ばれる』と語られたことが成就するためであった」は、根拠が不明です。
 
 ある人は「ナジル人のこと」と解釈しています。別の人はイザヤ11章1節の「若枝」のことだと解釈しています。決定的なことは分かりません。
 
 ヨセフとマリヤの古里ですが、後にイエスの弟子になるナタナエルは「ナザレから何か良いものが出るだろうか」(ヨハネの福音書1章46節)と言っています。見下されるようなド田舎だったのでしょう。

適用

 確実に言えるのは、イエス誕生以前、ナザレは注目を集めるような場所ではなかったということです。イエスは神の御子であるにもかかわらず、そんな場所で育ちました。華々しさとは無縁です。そんなイエスのへりくだりを学びたいものです。