高1に語るマタイの福音書11

そんなご無体な……

(5章21~48節)

中心聖句

 ですから、あなたがたの天の父が完全であるように、完全でありなさい。(48節)

解説

 イエスの教えはまだまだ続きます。21~48節の基本構造は「あなたがたは………と聞いています」「しかし、わたしは言います」です。殺人、姦淫、離婚、誓い、報復、隣人愛について、「今までこのように教えられましたね」と。これは口伝律法と言われるものですが、そのすべてにイエスは「それは間違った教えで、正しくはこうである」と語ります。
 
 怒りや人を罵倒する言葉を心に浮かべただけで殺人と同罪である。心の中でエロい思いを抱いただけで姦淫と同罪である。イエスの言うことは相当にハードルが高いです。
 
 右の頬を打たれたら左の頬も出せ。自分の敵を愛し迫害する者のために祈れ。当時この説話を聞いた人、そして初めて聖書を読んだ人は思ったでしょう。「そんなご無体な……」

適用

 誇張表現が入っているとは言え、人の目には無理な投げかけばかりですが、イエスは律法の完成者としてそのすべてを完全な形で実践されました。私たち信仰者が目指すものは「私たちはみな、覆いを取り除かれた顔に、鏡のように主の栄光を映しつつ、栄光から栄光へと、主と同じかたちに姿を変えられていきます。これはまさに、御霊なる主の働きによるのです」(Ⅱコリント3章18節)です。聖霊に自らを明け渡し、御言葉によって作り替えられてゆくことで、主の似姿へと近づいていきましょう。