主の祈り②
(6章9~13節)
中心聖句
「天にいます私たちの父よ。御名が聖なるものとされますように」(9節)
解説
イエスがこれを語ったのは十字架前=旧約時代です。旧約時代の神の名は、アブラハム・イサク・ヤコブの神=「あなたがた(ユダヤ人)の父祖の神」であり、「エル・何とか」「ヤーウェ・何とか」など、神様のご性質を表したものでした(万軍の主、全能なる方、大いなる神等々)。この時代、民にとっての「神観」は畏るべき方、ひれ伏すべき方でした。
グラハム・ベル以来の「電話」観をスティーブ・ジョブスが再定義したように、イエスは「神観」を再定義しました。当時の民にとっては、神に「父よ」と親しく呼びかけることなどあり得ないことでした。子なる神は十字架によって、神と民の間の「隔ての壁」を打ち壊しました。
適用
私たちは当然のように「父なる神様」と呼びかけますが、それはイエスによる革命の結果であることを、よく吟味しましょう。三位一体なる神との親しい交わりの中に入れられたこと、交わりの中で愛を知り、愛を表すこと。それが新約時代の信仰者の生き方ではないでしょうか?