高2に語るマタイの福音書19

おがくずと丸太

(7章1~6節)

中心聖句

 さばいてはいけません。自分がさばかれないためです。(1節)

解説

 他者を裁くな、とイエスは言います。他者を裁けば自分も裁き返される。裁く前に自分自身に改める点はないか顧みよ、と。
 
 他者の細かな欠点(新共同訳は「兄弟の目にあるおが屑」と訳しています)より、自分自身の大きな欠点(同じく「自分の目の中の丸太」)をまず改めよう。他者に指摘するのはその次、というのがイエスの教えです。ビジュアルな対比がいいですね。
 
 6節をここに含めて良いのかは、正直迷うところです(新共同訳が1~6節をひとくくりにしているので含めましたが)。裁くなという教えとは異質の教えのように思えます。「聖なるもの」は解釈の分かれるところですが、「神の教え」と解したいと思います。犬も豚も、聖書では否定的な文脈で用いられている動物なので、これは「神の教えを聞こうとしない異邦人や一部のユダヤ人」と読み解くべきでしょう。

適用

 あなたの家庭や職場をギスギスした場にしたければ、どんどん他者を裁きましょう。自分の基準(聖書では「自分が量るその秤」)に絶対的な正しさと普遍性があると確信し、摩擦を恐れるべきではありません。
 
 私は嫌です(私の職場にはそんな人が少なからずいましたけど)。他者にどうこう言う前に、謙遜でありたい。ポカポカした場は、人々が裁き合うのではなく互いを高め合う場だと信じたいです。