タラントの例え
(25章)
中心聖句
よくやった。良い忠実なしもべだ。おまえはわずかな物に忠実だったから、多くの物を任せよう。主人の喜びをともに喜んでくれ。(21、23節)
解説
①賢い娘と愚かな娘②タラントの例え③羊への報償と山羊への裁き--から成ります。いずれも、24章の再臨に関連した話です。タラントの例えに絞って解説します。
タラントの例えには、①旅に備え財産を預ける主人②5タラント預かったしもべ③2タラント預かったしもべ④1タラント預かったしもべ--の4人が登場します。①は子なる神キリストの事です。聖書では神と人との関係を、主人としもべの関係で説明することが多くあります。
主人が「旅に出る」とは、キリストが十字架後に昇天することを指します。主人は「かなり時がたってから」旅を終え=再臨し、清算に臨みます。②と③の人は、その忠実さと運用益にお褒めの言葉と報償を頂きます。④の人は、せっかく神から信託されたものを「宝の持ち腐れ」状態にしたことから、お叱りの言葉と裁きを受けます。
1タラントは6000デナリです。1デナリは当時の1日の日当です。2024年現在の日本の最低賃金はざっくり1000円ですから、1デナリ=8000円。つまり1タラントは低く見積もっても4800万円になります。
適用
②と③は信者です。主人から「多くの物を任せよう」と言ってもらえます。これは再臨後の千年王国において、どれほどの土地と権限を任されるかを指していると、私は解釈しています。
スタート時点の手元資金には格差があります。しかし運用益200%を達成したという点では②も③も同じ成果を出したことになります。どのような家に生まれついたか、どのような才能を与えられたか等々は一人一人に違えど、神に忠実な人生を歩むことができるかどうかは平等だということです。
④は非信者です。彼の結末は「泣いて歯ぎしりする」です。聖書中この言葉が使われるのは7回(=完全数)ですが、「地獄行き」の婉曲表現です。
私は信者の端くれとして、神からのお褒めの言葉と豊かな報償を信じて、日々忠実に歩みたいと思っています。この地上では報われなくても、キリストの再臨時に報われれば、「お釣りが来る」どころではないからです。
逆に、地上でいかに豊かな人生を送っても神に認められないなら、そんなむなしく、残念なことはありません。アーメン?