尊敬する内田樹先生の著作に「街場のマンガ論」があります。私はこの本を図書館で読んで、大笑いしたくなるのを必死にこらえました。「反米ナショナリズムとしての少年愛マンガ」で示されている洞察には大変なものがあり、そのご慧眼には恐れ入るばかりですが、もう一つのお勧めは「女は『三界』を遍歴する」です。
「女は三界に家無し」をアレンジしたものだと思いますが、内田先生の言う「三界」は、慣用句が言う欲界・色界・無色界(仏教用語ですね)=全世界を指しているのではなく、学園界・道場界・家庭界です。少女マンガで描かれる女性はこの三界を旅しながら成長していくものであり、少女マンガとは「理想の女性」を目指す終わりなきビルドゥングスロマンである、と。さすが内田先生。言うことが違う。後は本を手に取ってください(笑)。
キリスト教の世界で「三界」と言えば、天上界(=神の世界、聖なる世界)、地上界(=人の世界、罪の世界)、地獄界です。地獄については、黄泉(陰府)、ゲヘナ、ハデス、シオール等さまざまな(訳)語が聖書に登場し、その詳しい違いは割愛しますが(詳しく学びたい方には「2012年フルクテンバウムセミナー『聖書が教える死後の世界』」をお勧めします)、要は死後にある二つの目的地のうちの、誰も行きたがらない方です。
唯一、この三界を行き来したのが子なる神です。子なる神は父なる神と天におられたのに、贖いの小羊となるためにイエスという名で地上に来られ、十字架刑で死んだ後は黄泉に下り、3日目に復活して40日間地上で弟子たちと過ごした後、「いつか再び来る」ことを予言して天に昇られました。
天使は「二界」を行き来しています。天使というぐらいですから普段は天にいますが、神の使いとして時々地上に現れるのです。マリヤへの「受胎告知」が最も有名でしょう。
堕天使(サタンと悪霊たち)は、堕落前は天におり、堕落後は地上世界の仮初の支配者となっています。イエスの再臨後のさばきでゲヘナに落とされることが決まっていますから、「三界」を一方通行で旅することになります。上から下へ一直線。
さて、最後は人です。人は地上からスタートします。生きている間にイエスをメシアと信じた人は死後、天に行けます。信じなかった人は、残念ですが最後はゲヘナ行きです。つまり、いずれのコースにせよ「二界」を一方通行で旅します。
あなたは死後どちらに行きたいですか? なんて問うまでもないことです。天上へ行くためのハードルは、とても低く設定されています。経歴、資産の多寡、人種、性別、居住地、年齢等一切不問。要件は「イエスを、あなたの個人的なメシアとして受け入れますか?」との質問に、全人的に「はい」と答えることだけです。一人でも多くの方が「こちら」来られることを、心よりお祈りしています。