2006年に、南米エクアドルに行きました=写真。赤道直下の国です。
日本からの直行便は高いので、アメリカ経由で乗り継ぎするルートを選びました。
出発当日の首都圏は、見事なまでの大雪。成田空港の、私が乗る飛行機も出発が大幅に遅れました(運航中止にならなかっただけマシです)。
真夜中、やっと機内に案内されました。太平洋横断の長旅になるので、隣に座る方にまずこちらから挨拶することにしました。若く見えたのですが、70代ぐらいのご夫妻でした。
挨拶した瞬間に「この人は只者ではない」って分かる人って、この方が初めてでした(私もいつかそうなりたいものです)。言葉の端々、ちょっとした所作に気品が漂っていました。
その方は、木村利人さんという名前でした。名前はドイツ語で「光」を意味する「リヒト(Licht)」に由来すること。生命倫理の専門家で、大学の教員であったこと。海外で長らく教えていたこと。私と同じく、プロテスタントのクリスチャンであること--などを、教えてくれました。
そのころ私は、会社を辞めてフルタイムで神に仕える(つまり牧師になる)べきか真剣に悩んでいたので、相談に乗ってもらったりもしました。木村さんのお陰で、アメリカまでの旅は本当に楽しいものになりました。
帰国してから、ある発見がありました。
当時、子供たちはまだ幼稚園生で、私の所によく「読んで~」と絵本を持ってきたのですが、その中に、上半分が絵と楽譜、下がおもちゃのキーボードになった本がありました。ペラペラとめくって「幸せなら手をたたこう」の作詞者名を何気なく見たとき、「?」と思いました。「木村利人」とあったからです。
検索してみたら、機内でご一緒した木村さんと同一人物であることが分かりました。皆が口ずさむあの曲を作詞された人だったなんて、もうびっくりです。
木村さんが「幸せなら」を作詞された経緯については、東京YMCAのページに詳しいので、そちらをご覧ください。2016年には、NHKのBS1で「幸せなら手をたたこう ~名曲誕生の知られざる物語~」が放送されました(もちろん、私も見ました)。
日本では、クリスチャン人口は、全人口の1%程度と言われますが、私の実感では、0.5%(200人に1人)でしょうか。仮にカトリックとプロテスタントが半々としたら、プロテスタントだけで0.25%(400人に1人)になります。
私は数学が苦手なので計算できないのですが、0.25%の人間2人が機内で隣り合う確率って、どのぐらいなんでしょうね。私はそのような稀有な出来事があったということを、確率論ではなく、神の配剤、神さまからの粋なプレゼントとして受け止めたいと思います。