飲食店のアルバイトに申し込んだ次男が、面接後、「身元保証書」なるものを私に送ってきました。こんな内容でした。
「( )の身元を保証します。本人が故意または重大な過失により貴社に損害を及ぼした場合、最大100万円まで賠償します」
分からなくはないですよ。アルバイトがバズ狙いで馬鹿な動画を投稿して、雇用先が大変な迷惑を被った事例がいくつもありますから。
でも、どうしてもサインする気になれませんでした。次男のことを「信用しない」と言っているも同然ではないか? 善良な人間が、性悪説に立った保証書になぜサインしなければならないのか? 採用側だって、人手が足りなくて困っているから募集している訳で、どうしてこのように非対等で片務的な契約を結ばねばならないのか?
私の中でアラートが鳴りました。次男には「父の直感は『ここはやめとけ』。それでもお前がここで働くというなら、止めない」と伝え、まずはその飲食店で実際に食事をし、店員や店舗を観察するように勧めました。
後日、次男がその店で食べた定食の写真を送ってきました。私の確信はさらに強化されました。次男は結局、そこでのバイトを辞退しました。
皆さんも、非対等で片務的な契約に軽々しくサインしないよう、十分注意してくださいね。
唯一の例外
でも、世の中には、非対等で片務的なのにサインした方がいい契約(ContractでなくCovenant)があります。むろん、キリスト教のことです。
旧約、新約(聖書)という言葉が示すように、キリスト教とは多分に「契約の宗教」です。実に非対等です。契約者は神と人(信仰する個々人)なのですから。
ある意味、実に片務的です。ある人が神との契約関係に入った(=キリスト教を信仰した)にも関わらず、聖書(契約書)の内容に生涯不忠実だったとしても、神は契約を破棄せず一方的にその人をお救いになります(平たく言うと天国に入らせてくれる)。
さすがに、生涯神に忠実であった人と、天国で同列の扱いを受けるかというと、それは違いますが……。
強制はしませんけど、サイン、しませんか?