大学1年の次男が「明日バイトの面接に行く」と言いました。
<歌詞データの入力>時給1600円!
募集サイトには、そうありました。
私「お前が雇用主なら、単なる入力作業に最低賃金の1.6倍出すか?」
次男「いや」
私「時給1600円はこの地域では有資格者に支払われるレベルだが知っているか?」
次男「塾講師は資格が必要じゃないが時給2200円で募集している」
私「阿久悠の時代じゃあるまいし、歌詞を手書きする人が今時おるか?」
奇天烈。偏屈者。天邪鬼。3人の子どもの中で、私の血を最も濃く受け継いだ次男は、それでも面接に行きました。怖い物見たさもあったでしょう。
面接先では「申し込み殺到で十分入れないかも」と言われ、別の業務を案内されたので断ったとか。「歌詞入力の話は『エサ』で、『別の業務』こそ本当の狙い」で、私と長男は一致しました。
蛇でもあれ
私は進学先に法学部法律学科を選びました(ヤン・ウェンリーに憧れて史学科に進みたかったのですが、学力が足りなかった)。高3当時、このように考えていました。
①世の中には悪いヤツがいっぱいいる
②悪いヤツは常にカモを探している
③無知なお人好しはカモにされる可能性が高い
④だから「知」で武装する必要がある
考え方自体は、今も通用すると思っています。むしろ、スマホとSNSが普及した現代の方がカモにされる危険性は高くなりました。
「いいですか。わたしは狼の中に羊を送り出すようにして、あなたがたを遣わします。ですから、蛇のように賢く、鳩のように素直でありなさい」(マタイの福音書10章16節)
イエスが弟子たちを伝道に派遣する際に送った言葉を、面接直前に息子のスマホに送信しました。
イエスの時代も今も、狼がいっぱいです。私たちは鳩だけではだめなのです。