元号が平成から令和に変わるタイミングで、ある新聞が、1面にたくさんの人の写真を載せました。それぞれの人は、新時代への期待を漢字1文字で色紙に書いて、持っていました。
「笑」「命」「輝」「豊」……。明るい、良いイメージを想起する言葉が並ぶ紙面を見て、「自分なら何の漢字にするだろう」と考えました。浮かんだのが「乱」でした。いや、別に混乱も波乱も動乱も紊乱も望んでいないのですが、元号が変わっても変わらなくても、世の乱れは否応なしに深まる一方だとしか思えなかったのです。悲観的なヤツですね。いや、ちゃんと理由はあるんですよ。
本サイトでは基本的に時事問題は扱わないことにしているのですが、今回は敢えて、世界規模で混乱と波乱を拡大し続けている新型コロナ禍について、聖書を補助線とした私の見方を記したいと思います。
第一に、これは「呪いの一形態」であると言えます。
聖書は、この天地にあるものすべては、神が創造したと記します。エデンという土地やアダム、エバという人間を含め、創造当初はすべてが理想的な状態にありました。
しかしながら、悪魔=サタン=蛇に誑かされた人が神の命令に逆らい、善悪の知識の木の実を食べたため、神の裁きが下りました。聖書はこう記します。
(※筆者注:神からアダムへの言葉)「あなたが妻の声に聞き従い、食べてはならないとわたしが命じておいた木から食べたので、大地は、あなたのゆえにのろわれる。あなたは一生の間、苦しんでそこから食を得ることになる」(旧約聖書「創世記」3章17節)
自然は、災害や疫病という形で人に牙をむきます。それは、アダムの罪によって大地が呪われてしまったからです。罪と呪いの下にある限り、自然災害も疫病も、已むことはありません。
第二に、これは「神からの声なきメッセージ」であると言えます。
自然災害にせよ疫病にせよ、それで命を失ったり、愛する家族を亡くしたり、生活が苦しくなっている方が多く出てしまっているのは、本当に胸が痛む事です。できれば、そんなことは、自分の周囲であってもなくても起こらないでほしい。念のため付記しますが、私や家族は(クリスチャンだから)罹患しないとか、私や家族の職場は安泰だと考えている訳でもありません。
同時に、すべての災いには「誰がまことの神であるかを知り、まことの神に立ち返れ。あなたが握りしめている偽りの神を捨てよ」という、神からのメッセージが埋め込まれています。
「海を割ったモーセ」の話は、クリスチャンでない方でも一度は聞いたことがあろうかと思います。モーセに率いられたイスラエルの民がエジプトを脱出する前、エジプトには10の災いが下るのですが(そのうち二つは疫病)、神はその理由をこう説明しています。
「わたし(※筆者注:神)が手をエジプトの上に伸ばし、イスラエルの子らを彼らのただ中から導き出すとき、エジプトは、わたしが【主】であることを知る」(旧約聖書「出エジプト記」7章5節)
古代エジプトに起きたことと現代世界に起きていることは、スケールの大小はあれど相似形である、と言えます(カミュ「ペスト」で、神父が似たようなことを話す場面があったのには驚きましたが)。
第三に、これは「イエス再臨のフラグ」であると言えます。
イエスはいつか再びこの地上に来られる、とこちらで書きました。イエスは御自身の再臨の前に、どのような前兆現象があるかを弟子たちに説明しています。
「民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、大きな地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい光景や天からの大きなしるしが現れます」(新約聖書「ルカの福音書」21章10、11節)
国家間の戦争も大地震も飢饉も疫病も、人類の歴史の中で何度となく繰り返されてきました。それら一つ一つが、今風に言えば「フラグ」な訳です。新型コロナ禍によって、また一つ「フラグが立った」と言えましょう。
長くなった割に、まだ意を尽くせていません(「乱」の理由にすら辿り着けていない)。続きは次回。