ゲーム・古書・エルサレム

 「シャロム」というヘブライ語を初めて知ったのは、中2の時でした。当時発売されたゲームのタイトルだったのです(笑)。「正しい発音はシャローム。ユダヤ人の伝統的な挨拶(別れ)の言葉。平和の意味。古くは、『平安あれ、神があなたとともにおられますように……』という意味を持つ」と説明書にありました。ストーリーも音楽も素晴らしいゲームでした。
 
 いや、今回は「幸福論」の延長なのです。
 
 先日、キリスト教書店で古書「教会 イエスの共同体」(ジョン・ドライヴァー著)を購入しました。1982年の出版で、紙はどのページも黄ばんでいました。127ページしかないのに850円って当時としては高い方だと思うのですが、たったの100円で購入できました。たぶん出版元はもう存在しません。
 
 読んでいたら、シャロームについて以下のような説明があって、「ビビビ!」と来ました。
 
 「シャロームは、人間と神との関係のヘブル的な理解にとって本質的な、しかも幅の広い念です。それは霊的な面と物質的な面の両方を含み、人間の福祉、健康、幸福の全体に及ぶものです。人と人とのあいだ、また人と神とのあいだに健全な関係があるときに実現する幸せな状態を指している」(P92)
 
 ヨハネの福音書14章27節「わたしはあなたがたに平安を残します。わたしの平安を与えます。わたしは、世が与えるのと同じようには与えません。あなたがたは心を騒がせてはなりません。ひるんではなりません」で、平安と訳されているのがシャロームです(他に16章33節、20章19、21節)。
 
 シャローム=心が平安な状態ぐらいにしか思ってなかったのですが、こんなにも深く、広い意味があったんですね。そういえば、エルサレムも「平和の町」の意ですから、シャロームとサレムは同源かもしれません。
 
 前回の幸福論で、キーワードに「親密な愛」を挙げました。その理解は今も変わっていません。新たに加わったのは「親密さとシャローム(あえて平安と言わない)は表裏一体」という知見です。例えば私と妻、私と神の間に親密な愛の関係があるから同時にシャロームもある。おお!
 
 あなたにもシャロームがありますように。